常に高品質の麦芽をつくり出すには、絶え間ない研究開発・試験分析活動が欠かせません。本社・工場に隣接した野洲試験圃場では、日本・海外の大麦約600種を栽培、新しい品種の開発をめざして研究をつづけています。そして、試験室では、産地・品種によって異なる麦の特性を把握、高度な品質管理を行うために、微生物の管理や大麦の特性分析など、綿密な試験分析を行っています。さらに、100年の伝統に磨き抜かれた技術は、素材としての麦芽とともに、人びとの暮らしに直結した製品をも生み出しました。麦茶は独特の風味をかもし出す熱風焙煎機、ドイツ・プロバット社のロースターを導入、最高品質の製品を送り出しています。
- 試験室
- 製粉場
- ロースター
- 大麦試験圃場
- 麦芽貯蔵サイロ
大麦には六条種といって穂に粒が6列に並んでいるものがありますが、ビールに用いられるのは主に二条種と呼ばれる大麦で、通称ビール麦とも呼ばれます。これは六条大麦の6列の粒のうち4列が退化して、向かい合った2列だけが実るようになったものです。したがって穂は扁平型をしています。二条大麦は一般的に粒は大きく、でんぷん質が多く、たんぱく質が少なく、殻皮が薄く、発芽力が旺盛で、さらに発芽した際、酵素力が強いというビール造りに適した性質を持っています。麦芽製造にあったって、アサヒビールモルト社では、生き、呼吸しつづけるその麦の生命を最高の品質に保つために、すべての工程を24時間コンピュータによってコントロールしています。
- 製麦コントロール室
- 大麦精選室
- 浸麦タンク
- 発芽室
- 焙燥室
-
ビール大麦は収穫後休眠がなくなってから製麦に用います。
先ず精製機にかけて夾雑物を取り除き、選粒機で粒の大きさを揃えます。
-
1〜2日間浸麦タンクで発芽に必要な水分を吸収させます。
-
網目の床下から一定温度の湿った空気を送り4〜6日間で大麦は根が粒の1.5倍に、芽は約2/3程度に伸びます。この間に糖化酵素などが形成または活性化します。こうして出来た麦芽を緑麦芽といいます。
-
緑麦芽を熱風で乾燥し、発芽を止め、麦芽特有の香りと、ビールに必要な色素を生成させます。淡色ビール用の淡色麦芽の他に黒ビールやスタウトに用いる濃色麦芽がありますが、これらは主に焙燥の温度や時間を操作してつくります。
焙燥後に脱根機で根を除いた麦芽はサイロに貯蔵し、必要に応じてビール工場に送ります。なお、除かれた麦根は牛の飼料及び肥料として利用されています。
ここに紹介した麦芽製麦工程で造られた麦芽はすべてアサヒビール(株)へ納入されるもので、一般への販売は致しておりません。悪しからずご了承ください。販売可能な商品については製品情報:麦芽・ホップのページをご覧ください。